去勢手術(オスの場合)

生後6ヶ月以降ならば可能
犬・猫どちらも1泊2日の入院
退院して約1週間後に抜糸(犬の場合)

主なメリット

  • なわばり意識に伴うマーキング・スプレー行為の減少、攻撃性の低下
    (習慣になっている場合、行為は残ることもあります)
  • 前立腺肥大の予防
    (去勢せずにシニアになると前立腺が肥大しやすくなり、排尿・排便がしづらかったり痛みを伴うことがあります)
  • 会陰ヘルニアの予防
    (ホルモンの影響でお尻周囲の筋肉が薄くなり、その隙間から脂肪や腸などが出てしまうシニア期に起こりやすい病気です)
  • 肛門周囲腺腫の予防
    (肛門腺とは別に肛門の周囲に多数の分泌腺が元々あるのですが、ホルモンの影響で腫瘍化する病気です)
  • 精巣腫瘍にならない
    (※停留睾丸(陰睾とも言う)の場合、将来的に精巣が腫瘍化するリスクがあるため若いうちに去勢を済ませておきましょう)

停留睾丸とは:犬も猫も生まれた時、2つの睾丸はお腹の中にあります。生後1~2ヶ月までには鼠径(そけい)管と呼ばれる管の中を通ってお腹から陰嚢の中に睾丸が移動し納まります。しかしながら睾丸がお腹の中に留まっていたり、鼠径管の途中で留まっている場合は、将来的に腫瘍化するリスクが高いのです。
通常、停留睾丸の場合、留まっている場所によって手術のアプローチが変わります。
陰嚢の中に2つの睾丸があるか明らかに確認できない場合は、動物病院で確認しておく必要があります。

主なデメリット

  • 子供が作れなくなる
  • 太りやすくなる(ホルモン代謝の変化による)
    (ただし食餌管理や運動によりコントロールすることは可能)

タイミング

オスの場合、性成熟すると間もなく、なわばり意識が芽生えます。自分の匂いを周りにつけようとオシッコを気になる至る所でする傾向があります。
去勢により、縄張り意識は抑えられますのでこのような行為は無くなることも期待できます。しかしながら、既に習慣になってしまっていると、その行為が残ってしまうこともあります。
張り意識が芽生える前に去勢をすることで、多くの場合そのような行為は防ぐことができるのです。一概には言えませんが、猫・小型犬であれば6~7ヶ月くらいに去勢をするのがベストかと考えます。
もちろん、アダルトやシニア期でも手術は十分可能ですので、ご相談ください。

当院では
手術当日、必ず血液検査を行い、状態を把握した上で手術に望みます。
手術中は、麻酔の深度、呼吸状態、心拍様式、血液中の酸素飽和度 等を常にモニタリングします。また、動物の状態をみながら、術中・術後の鎮痛管理を行います。

さいごに

当院では術直後のケアを充実させるために、オスの去勢手術では1泊2日、メスの避妊手術では2泊3日としております。
術後の体調管理、傷の管理以外に、温度管理(術後は特に体を温かくする必要がある)、食餌管理、疼痛管理、運動管理(通常、翌朝から軽いお散歩が始まります)を行います。

ペットたちにとって、手術や病院が 嫌いなもの とならないように、1件1件のホスピタリティを重視した管理をさせていただいております。